すべり落ちないマスクの開発ストーリー

本日の長崎新聞に掲載された「すべり落ちないマスク」はこちらからご購入いただけます。
https://www.marmaille.jp/s_mask/


マルマイユ責任者 井上です。今回開発したすべり落ちないマスクの開発経緯について記していきたいと思います。

2020年10月10日夕方のことでした。
弊社にマスクをお買い求めに来たお客様が突然、
「耳にかけないマスクってないの?」
って尋ねてきたんです

私は、やんわりと取扱がないことを伝えると
「実はさ、片耳がない女の子がいてさ」
と返事がきました。

そのときに「はっ」としたというか、衝撃を受けました。

弊社は3月からマスクの販売を始めて、消費者のみなさまに、喜ばれることだけを考えて素材・製法を追求してきました。

そのため、誰よりも「マスクと向き合ってきた」という自負が少なからずありました。
そんな自負が一瞬で氷塊し、大変なことを見落としていた、と感じました。

そのお客様には「オーダーメイドでお作りします」と即答しました。

その日のことをTwitterで何気なくつぶやくと、12万人以上から共感をいただくことになり、「マスクを付けて生活することが当たり前になった世の中で、多くの方が見落としていた課題なのではないか」と考え始めました。

いのうえ(縫製工場のおやじ)のTwitterはこちら
https://twitter.com/Kosuke_INOUE/status/1314910262839762950

このツイートのおかげで、小耳症(しょうじしょう)で悩んでいる方が日本に多くいることが分かっただけでなく、いろんな方から励ましや相談の電話やメールが沢山きました。

Twitterで多くの方から「こんなアイテムあるよ」とか「こういう方法で解決できるのでは」というご意見を頂けたことは、今回の商品開発の参考になったことは言うまでもありませんが、その中でも、ある団体の代表の方(Tさん)との出会いがなければ、このマスクはできていなかったでしょう。

このすべり落ちないマスクが製品化するまで5回サンプルを作りました。
そのほとんどのサンプルをTさんに送って、実際に小耳症の方に装着してもらい、改善点のご意見を頂きました。
Tさん、大変お世話になりました。ありがとうございます。

さて、このすべり落ちないマスクを開発するにあたり、優先したことは次の3つです。
①普通のマスクを付けているように見えること
②使う方の髪型をくずさない
③簡単な装着ができる
※小学生が給食当番のときに自分で付けられる

Twitterで多くの方から提案があったオーバーヘッドタイプが、解決策になるのではと思い、これを中心に開発を始めましたが、すぐに壁にぶち当たりました。

※写真はインターネットから転用しています。

このオーバーヘッドの紐、すべり落ちるんです。

それは当然で、耳の後ろ付近から首にかけては傾斜があるし、髪も滑る。
だからオーバーヘッドの紐がすべり落ちるて、マスクもずれ落ちてしまう。

それなら
「シリコンの紐なら滑り止め効果があるのでは」
と思いましたが、全く効果がありませんでした。

なんとか滑るのを改善しようとして、サンプルを作っていくと、だんだんと、より複雑な形状で、より付けるのが難しく、より大きく、なっていました。

そのときに、モノっていうのは難しく複雑に作るのは、誰にでもできる簡単なことだと感じました。

「引き算、引き算」と思い直しながら、不細工なサンプルを見ていると、次のような考えが浮かびました。

「オーバーヘッドの紐がすべるから、マスクもすべりおちる」
「紐がすべるのは防げない」
「それならマスクがすべらなきゃ良いのでは。紐には別の役割をさせればいい」

画期的なアイディアと思いながら、マスクの頬にあたる部分にシリコン系の素材で滑り止めを付けてみましたが、見た目が悪く、またしても複雑な工程が必要なマスクが出来上がりました…。

「どうしよう…」と思って両手で顔を覆った時でした。

小指と小指の間に出っ張りを感じました。
そうです。
鼻の出っ張りです。

「あっ、これだ!」と思いました。
これがすべり落ちないマスクの最終形が見えた瞬間でした。

「鼻にひっかければ、マスクがズレ落ちない!」

そこからは素材探し。
縫製工場としての今までの知識経験、そして副資材屋(洋服のボタンや糸を専門に扱う会社のことです)さんの協力があり、ようやくコレというのが見つかりました。

シリコンコーティングがされたテープと、ようやく出合ったのです。

このテープを、弊社独自製法の立体保持ワイヤー入りのカラーマスクに取り付けてみると、予想以上の交換があったのです。

そして出来たのが、コレです。









このすべり落ちないマスクの特徴は3つです。

①装着が簡単

②低価格を実現
弊社の既存マスクに加工することで出来上がるので、色も18色、サイズも4色から選べます。特別なモノだからという限定はありません。その日の気分に合わせて、その日のファッションに合わせて選ぶことができます。

③だれでも使えるユニバーサルデザイン
老若男女問わず、例えば補聴器と眼鏡を使っている方も耳に負担がこないマスクとして使えます。もしくは耳が敏感な方でマスク装着で困っている方も、このすべり落ちないマスクで装着ストレスを軽減できます。実際に何人かの社員が使ってみても、なかなか良い塩梅で、マスクが動きません。


このすべり落ちないマスクは、いま弊社ができる全てを使っています。
弊社には昭和の創業以来から活躍しているミシンもあり、それらのミシンを使って1枚ずつ職人が手作業で作っています。

手作業のモノづくりなので、令和の時代にもかかわらず、IT技術・AI・ビッグデータとは月次元にある仕事です。

ただただ、使う人の事を考えてコツコツ作っていきます。


最初は1人の少女の笑顔のために作り始めましたが、いま耳の形成不全で悩んでいる方が多くいることを知っています。
このマスクで一人でも多くの人を笑顔にできれば、そしてその笑顔が周りの人にこれ以上に嬉しいことはありません。

もちろん、これが完璧ではありませんが、かなりの効果は期待できます。
(※あご髭があると、ずれることがわかっています…)

少しずつ皆様から改良意見をいただきながら、より良いものに育てていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。


ところで、例の女の子へマスクが届いたか、というと。
知人を介して届けてもらいました。
販売したものと少し違うものですが、使ってもらっていれば嬉しいなぁ。

「すべり落ちないマスク」はこちらからご購入いただけます。
https://www.marmaille.jp/s_mask/